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差別的投稿に反対する有志声明への賛同を求めます。

 去る7月30日に本学人間社会科学研究科に所属する助教(「育成助教」として雇用)がツイッターに行った投稿が「差別」的であるとMovement Beyond Hateによって厳しく批判され、新聞紙上でも報道されました。広島大学は8月11日付で、ウェブページ上にこれに対する「お詫び」を掲載しました。その後、広島大学の学生を含むさまざまな団体や個人から、この問題に対する意見表明や声明等がツイッター等で示されていますが、広島大学教員からの意見表明は、まだ何も行われていません。

 学術論文の中での学問的批判以外の同僚に対する批判に、私たちは慣れていないかもしれません。しかしながら、今回のツイッター投稿は、「レイシズム」という非科学的で人を惑わす、およそ学問そのものの基礎となる「多様性」を否定し、「学問の自由」を葬り去りかねないような、深刻な内容を含んでいます。

それゆえ、私たちは、広島大学が一人ひとりの教員の自覚と行動によって「多様性」を支持し、「学問の自由」を発展させる意志を持つ、自立した研究者集団であることを示す必要があると考えます。その意味で、私たちはこの問題を契機に、広島大学をより公正で真に多様性を承認する大学へと発展させていくべきだと考えます。

以上の考え方と、以下の声明文にご賛同いただける方を募ります。よろしくお願いいたします。

 

「レイシズムは心と魂の病だ。どんな伝染病よりも多くの人を殺す。それに触れる誰をも非人間化する」ネルソン・マンデラ

‘Racism is an ailment of the mind and the soul. It kills many more than any contagion. It dehumanizes anyone it touches.’ Nelson Mandela

 

呼びかけ人(姓のアルファベット順)

Marie-Noelle Beauvieux(人社) 平手友彦(人社) 川口隆行(人社) 河本尚枝(人社) 木原成一郎(人社) Lawrence Manzano Liao(統生) 丸田孝志(人社) 中村平(人社) 斎藤祐見子(統生) 柴田美紀(人社) 豊永恵三郎(全学教育統括部) 上野聡(統生) 吉田真理子(人社)

(括弧内は所属:人社は人間社会科学研究科、統生は統合生命科学研究科)
 

 この声明文への賛同は、広島大学に所属する教職員に限らせていただきます。広島大学関係者以外の方には、申し訳ありませんが、賛同以外の方法でご支援、ご鞭撻をいただけますよう、お願い申し上げます。

匿名での署名も可能です。一人でも多くの方のご賛同をお待ちしています。

現在の​賛同者数:81名 (2021年10月19日19時現在)

9月17日午後4時に、呼びかけ人13名、実名同意者33名(実名リスト付)、匿名同意者18名(数字のみ)を添えた声明書第一次集約分を学長室に提出いたしました。第2次、第3次集約に向け、引き続き、同意と拡散をお願いいたします。

​今後の予定

 第二次集約:9月24日(金)午後5時

 第三次集約:9月30日(木)午後5時

なお、第一次集約後、賛同者数(名前の公表に同意いただいた賛同者のお名前を含む)を含めた声明文を学長宛に提出いたします。

声明文案

2021年9月13日

広島大学教員による「差別」投稿についての教員有志声明

―8月11日付広島大学の「お詫び」が言及する「調査会」の公開を求めます―

 

越智光夫学長殿

 

 8月11日付で広島大学は、そのウェブページに「本学人間社会科学研究科に所属する特任助教が、特定の外国人に対する差別・偏見を助長しかねない内容の投稿をツイッター上に行っていたこと」についての「お詫び」を掲載しました。この「お詫び」において、上記助教による「わたしの意に反して、結果として特定の集団と特定の行為を結びつけていると受け止められかねない表現がありました」に始まる「謝罪」が引用され、それを受けて「本学としても不適切な表現であると認識」と、「表現の不適切さ」の問題であるとの認識を示しています。

 しかしながら私たちは、「お詫び」で言及されている、「道徳的に劣っている中国人」で始まる上記助教の投稿が、「特定の外国人に対する差別・偏見を助長しかねない」どころではなく、今日の科学や学問の基礎となる「多様性の承認」を否定する、非科学的・非学問的なものであることこそが問題であると考えます。「道徳」とは、特定の社会集団がその内部で共有することによって成り立つ概念であり、「道徳的に劣っている中国人」という表現には、「中国人」一般を「劣っている」と見下そうとする投稿者の差別主義的な考え方が直截に示されています。同助教が、特定の行為を行った人々を念頭に上記の投稿を行ったとしても、ここで問われているのは、その限られた行為から、同じ地域的出自を持つ、より広範な人々を同一視し、「劣っている」と見下すという態度です。これは、科学や学問、そしてその基礎となる多様性の承認の対極にあるものとして、厳しく批判されるべきです。

 したがって、上述の広島大学の認識は全く不十分であり、その非科学性、非学問性を拒否する立場を明確にしなければ、「あらゆる差別・偏見を許さず、人権を尊重する国際的な大学」という自己規定も、「今後も教育研究における多様性を大切にしてまいります」という宣言も、社会からの信頼を得ることはできません。ひいては、本学は「差別主義者により差別主義が発信される唯一の国立大学」という恥ずべき地位に転落することは必定です。

 それゆえ私たちは、貴職及び広島大学執行部が、最高学府として本件のどこが問題であるかをまず明確にすることを求めます。そのうえで、大学は本件に関するこれまで及び今後の経緯をすみやかに明らかにするとともに、開かれた「調査会」を設置・諮問すること、特に調査会の人選はオープンに行い、一切の利害関係者を含まないこと、調査会は本件に関連して中国人学生や同教職員、そして広島大学におけるすべてのマイノリティに十分に配慮し、また広島大学生やSNS上その他で議論されているすべての問題について、公平かつ透明な調査を行うこと、特に議事録等を詳細に作成し、途中経過を含めて公開することを求めます。

 

呼びかけ人(姓のアルファベット順)

Marie-Noelle Beauvieux(人社) 平手友彦(人社) 川口隆行(人社) 河本尚枝(人社) 木原成一郎(人社) Lawrence Manzano Liao(統生) 丸田孝志(人社) 中村平(人社) 斎藤祐見子(統生) 柴田美紀(人社) 豊永恵三郎(全学教育統括部) 上野聡(統生) 吉田真理子(人社)

(括弧内は所属:人社は人間社会科学研究科、統生は統合生命科学研究科)

実名署名者(ウェブ上での公開に同意した方のみ・姓のアルファベット順)

チェジンソク 匹田篤 細野賢治 金子肇 河西英通 久保田啓一 松永京子 水羽信男 長田浩彰 中空萌 野島永 渠蒙   佐々木宏 佐藤明子 田口健 山根典子 吉田修​

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